写真を始めると勉強するべき事が多いと思った事はありませんか?
構図だったり、光の向きだったり、確かに勉強する事が多いのも事実。
しかしカメラの設定で気をつけるべきポイントはというと、露出とピントの2つしかありません。
2つだけと言っても、露出とピントは写真の最も重要とも言える要素であり、どんなレンズを使っていようが、どんな周辺機器を使っていようが絶対に操作する必要がある設定です。
この記事では、上記のような少し専門的な難しい事は抜きで、写真で気をつけるべき「露出」に焦点を当てて解説していきます。
カメラは露出(明るさ)を判断できない
カメラを始めたばかりだと「露出」という単語にすら馴染みがないかもしれません。
露出とは簡単に言うと写真の「明るさ」の事で、明るさの制御は上記でも軽く紹介しましたが、写真の明るさは
- 絞り
- シャッタースピード
- ISO感度
の3つの要素で決まります。
この3つの要素はもちろん重要ですが、ケータイのカメラを使っていて分かるように、3つの要素を知らなくてもオートモードを使えば簡単に写真が撮れます。
そんな簡単そうな露出ですが、知っておくべきポイントは1つ。
カメラは明るさを判断するセンサーが搭載されているわけではないので、明るさが分かりません。
ではカメラどうやっては明るさを判断しているのでしょうか。
カメラの明るさの判別方法
カメラにはオートモードが搭載されており、オートモードを使えば“だいたい”良い露出の写真が撮れます。
だいたいと書いたのは、上で書いた通りカメラは明るさが分からないからです。
例えばケータイのカメラで白い紙のメモなどを撮影した事はありませんか?
そうした時に「あれ、白い紙なのにグレーに近いな」と思った人もいるのではないでしょうか。
明るさの分からないカメラは、明るさの基準として「写真全体を白でもなく黒でもないグレー」に全体のバランスを調節する特徴があります。
白い紙を撮影してグレーに写るのは、カメラの挙動として異常ではなく、むしろ正常な動きなのです。
そして白い紙を撮影する際は、カメラ持つ自分が露出をプラス補正にし、白い紙を白い紙として写るように撮影者が設定する必要があります。
これが写真を撮影する上で撮影者が身につけておくべき露出の基本です。
カメラは写真全体の色合いをグレーにする事を目指すだけです。正しい露出は撮影者自身が設定するしかありません。
標準露出と適正露出を知っておこう
露出には「標準露出」と「適正露出」の2つがあります。
標準露出
「標準露出」とは、カメラの露出(明るさ)がEV±0になっている露出です。
この露出が露出補正をする基準となります。
標準露出はカメラが目指したグレーの露出です。
色によって変化する標準露出
標準露出はグレーを目指しますが、被写体がいつも白黒という事はありません。
撮影する色によっても標準露出が変動する事があります。
明るい色 | 暗い色 |
白 黄色 オレンジ色 | 黒 青 茶色 |
適正露出
写真は「標準露出」で撮ればいいわけではありません。
それは自分がイメージしている露出が「標準露出」と合致しているとは限らないからです。
露出補正は標準露出から露出(明るさ)を調節し、適正露出となった時点でシャッターを押します。
標準露出とは異なり、適正露出は撮影者によってそれぞれ違います。
標準露出から明るくする事をプラス補正、標準露出から暗くする事をマイナス補正、明るすぎる写真を露出オーバー、暗すぎる写真を露出アンダーと呼びます。
暗すぎる | 暗く | EV±0 | 明るく | 明るすぎる |
露出アンダー | マイナス補正 | 標準露出 | プラス補正 | 露出オーバー |
適正露出とイメージ
露出は明るさの事ですが、明るさは単純で奥が深いものです。
明るさには様々なイメージがあり、自分のイメージに合わせて露出補正をすることが大切です。
マイナス補正 | プラス補正 |
クール 落ちつき 重い | ポップ さわやか 軽い |

露出補正とは自分の欲しい露出に調節する作業のこと
紹介した通り、カメラは明るさを分かっていません。
もちろん撮影者のイメージしている露出も分かりません。
このカメラの分からない所をフォローするのが露出補正という機能です。
もしカメラの判断した露出が明るすぎても、その露出が撮影者の欲しい露出ならそれが最適な露出なのです。

例えば上の写真は、白い背景に白い卵ですが、大半が白いこの写真はカメラからすれば明るすぎる写真です。
カメラは「明るすぎる」と判断しますが、私は「白を白として写したい」ので設定をオーバー(明るく)に設定して撮影しました。