Android端末にもGoogle Payが登場し、タッチ決済もかなり浸透してきました。
ですが、日本のタッチ決済はFeliCaという無線方式が採用されており、海外では全く馴染みが無い事を知っていますか?
そもそも、日本の電子マネーは実は海外に比べて早く、フィーチャーフォン(ガラケー)のおサイフケータイからありました。
この頃から使われていた無線の方式がFeliCa(フェリカ)です。
FeliCaはQUICPayやnanaco、Suica、WAONカードなど日本のほぼ全ての電子マネーで使われている無線方式です。
FeliCaは世界的にみるとNFC-Fという規格です。
NFCとは近距離無線の事で、世界的にはNFC-A/Bが一般的です。
そしてNFC-FのFeliCaをNFC-A/Bの端末で使えませんし、その逆も不可能です。
NFC-Fは一応は国際的な規格になっているものの、ほぼ全ての国がNFC-A/Bを採用しており、以前FeliCaを採用していた国も既にNFC-A/Bに移行済み。
あとは日本だけが取り残されている状態となっています。
FeliCaの未来を考える
FeleCa大国日本。
しかし世界の状況を見てみるとあまりに少数派であるFeliCaは衰退していくと思います。
そして電子マネーで生き残る選択肢としては、現状おそらく2つ。
NFC-A/Bを採用する
一つはNFCで世界的に一般的な規格であるNFC-A/B(NFC Pay)に対応する方法。
2020年には東京オリンピックが開催され、たくさんの外国人が来るので、東京オリンピックに合わせて少しでもNFC-A/Bに対応させていく必要があります。
これによるメリットとしては、海外の人が電子マネーを簡単に使える事と、日本でも安価な海外端末を使いながら電子マネーでの決済が可能になります。
最近はNFC-A/Bを搭載したクレジットカードも登場しています。
QRコード決済を取り入れる
もう一つはQRコードでの決済。
QRコード決済のメリットはNFCのように端末に機能を搭載する必要がなく、今使っている端末のままで、電子マネーが利用できます。
QRコード決済はNFC Payより日本で普及しています。
導入コストが安く、PayPayやLinePayなどがこれに当たります。
QRコード決済のデメリットを考えると、導入コストはかかりますが、実用的な決済はNFC決済です。
現在日本で普及しているQRコード決済もあくまで日本の規模ですし、ガラパゴス状態と何も変わりません。
SDカードにNFCチップを導入するINCIR
INCIR(インサー)はシンガポールのGoouteが日本に設立した会社です。
国際カードブランドであるVISAやMasterCardが推進するNFC A/Bを拡大するために、このINCIRプロジェクトが立ち上がりました。
INCIRのが開発しているメイン機器はMicro SD型のNFCで、もちろんNFC A/Bに対応します。
これが製品化されれば、NFCを搭載しないスマートフォンでもSDカードスロットを利用してNFCでの決済が可能になります。
ちなみにINCIRのmicro SDはNFC A/Bはもちろん、SDカードとしても使えるようなのでINCIRをスマートフォンに挿入したからSDカードでバックアップが取れない という事はなさそうです。
またSDカードスロットを必要としないBluetooth接続のカードタイプも開発中とのこと。